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人権作文コンテスト

更新日: 令和51213

お知らせ

 全国中学生人権作文コンテスト香取協議会大会で、​加藤愛理さん(2年生)の作品が最優秀賞、石井凪音さん(2年)、田中結月さん(2年)の作品が優良賞に選ばれました。また、加藤さんの作品は香取地区代表として、同千葉県大会で優秀賞に選ばれました。
 生徒の皆さん、今後の人生において、一人一人の人権をずっと意識していくことは、とても大事なことです。

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  • 「皆同じ人間」 加藤愛理さん(2年)
    ・全国中学生人権作文コンテスト香取協議会大会 最優秀賞 ・同 千葉県大会 優秀賞
  • 「戦争と人権」 石井凪音さん(2年) 同 優良賞
  • 「あたりまえが広がる社会へ」 田中結月さん(2年) 同 優良賞

 『皆同じ人間』 加藤 愛理
 私は小学校3年生のときに大きな病気になり、その後遺症で車いす生活になりました。いわゆる障害者になったのです。それまでとは違う立場になったことで気付いたことがあります。私は今まで障害者が困っているとき、見て見ぬふりをするのは違うと思っていました。しかし、ただ障害者だからといって過度に気を遣うのも差別の一歩だと気付きました。理由は、三つあります。
 一つ目が、私が特別支援学校から地元の小学校に戻ったことです。この変化によって、勉強へのやる気が上がり成績も伸びました。普通なら、障害者に慣れている専門の先生と一 対一で勉強することが分かりやすいと思われがちですが、私は逆でした。周りのみんなが頑張っている姿を見て、私も頑張ろうと思えたのです。また、特別支援学校ではテストがなく、ただ教科書を読むだけなので自分のペ ースで進められました。ところが地元の小学校ではみんなが堂々と発表している姿を見て、負けていられないと必死についていきました。障害のある私は、確かにみんなと同じ勉強時間をとることや、塾へ通えるわけではありません。だからこそ、授業の内容をそのときに理解しなくてはと必死になりました。皆についていこうと努力していた結果、勉強量がみんなよりも二倍になっていました。その甲斐あって、今は成績も常に上位にいます。だからこそ、私は障害者といって特別支援学校しか道がないとか、順位をつけるのは可哀想と言ってやめるのは違うと思います。
 二つ目の理由は、私には病気になった後も変わらずに接してくれる友達がいます。彼女は昔から私と仲良くしてくれた友達で、私はこの病気になったために、彼女と遊べなくなるのではないかと心配していましたが、彼女は変わらずに私と一緒に遊んでくれました。彼女は以前の私と、遊んでいた遊びを今ならどうやって遊べるか考えてくれたり、私が困っているとすぐに気付いてくれたりします。それを自然にしてくれます。だから私は彼女と気兼ねなく付き合えるのです。彼女の優しさに本当に嬉しく思いました。彼女は病気や障害を気にせずに接してくれる存在であり、そのことが私にとって大きな支えとなっています。障害者であることは確かに困難なことですが、それに対して可哀想とやみくもに言うのは違うのではないでしょうか。障害者が抱える問題に目を向け、その人に合わせて手助けをすることこそが大切なのです。障害者だからといった特別扱いや、過剰な気遣いをすることは、差別の一歩と私は感じています。
 最後の理由は、ある出かけた日のことです。私の車いすのタイヤが段差に挟まって動けなくなりました。付き添っていた介助者も女性だったために、持ち上げることも出来ませんでした。そんなとき、一人のおじいさんが、「持ち上げましょうか。」と声を掛けてくれました。私は心から「ありがとうございます。」と言いました。そのおじいさんとは面識がありませんでしたが、その方の優しさに本当に助けられたと感じました。この出来事から私は、改めて見て見ぬふりをせずに助け合うことの大切さを学びました。障害者かどうかに関わらず、誰か困っている人がいたら声を掛けて、助けるような社会になればいいなと思うのです。私たちは皆、同じ人間です。特別扱いをするのではなく、互いに支え合い、声を掛け合う社会を築けるのではないでしょうか。
 このことを書いていて、私はたくさんの人に恵まれているなと実感しています。その中で私の考え方を変えてくれた看護師さんがいました。その人は初めて私と対等に接してくれたのです。それまでは、私のことをどことなく可哀想と気を遣う人ばかりでした。しかし 、彼女は普通に私と接してくれたのです。その普通が心地よかったのです。なぜ、彼女は私に普通に接することができるのか、彼女の話を聞いて知ることが出来ました。彼女も小さい頃から難病を抱え、入退院を繰り返したそうです。だから、患者の気持ちが分かると説明してくれました。彼女も私と似た経験をしていたのです。その経験から私に壁を感じさせない気遣いができたのです。私はそれを聞いて、この経験を何かに生かせないかなと思うようになりました。私も彼女と同じように、突然病気になった人たちや障害のある人に寄り添い、その人たちが何をして欲しいのか声を聞いていきたいです。私だからこそ聞ける声もあると思っています。そして、それを社会に広げていけるようにしたいです。 また、障害者としての経験を通じて、周りの人々が私を支えてくれていることにも感謝しています。障害に関係ある人もない人も、障害者も健常者も同じ人間です。ただほんのちょっと皆さんと比べて、できることが少ないだけ。 これを知ってもらいたいです。